2012/10/13

それでもフィルムカメラを使う理由

Leica IIIf, Elmar 5cm/f3.5, FUJIFILM PRESTO 400

私は未だにフィルムカメラを使い続け、そしてこれからもフィルムカメラを使い続けるつもりでいます。

そしてこの判断に、合理的な理由はないのです。




デジタルが当たり前となった今、フィルムを使う理由を問い糾してみても、なかなか「納得のいく答え」が返って来ないようです。
過去数年、「デジタル vs フィルム」の話題が挙がっては消え挙がっては消え、未だに白黒ハッキリしてないように思います。


納得の行かない原因は以下の2つにあるのではないでしょうか。

一つは比較の仕方。
デジタルの登場は、電子で記録し、複製し、モニターで表示するといった、『新しい使い方の提案』です。
画質、保存性、コスト、利便性などの競争軸で比較をすると、フィルムに優位性はありません。
しかし、違う使い方を同じ競争軸で考えると、「劣っているのに、なんで?」と思ってしまいます。

もう一つは趣味・嗜好への理解。
「おらはうどんが好き、なんでおまえは蕎麦好きなの?香りが良い?分かんねぇな、おら蕎麦好きじゃねぇから、ねぇ、なんでおまえは蕎麦好きなんだよ?」...と、好みを分かち合えない方もいるのです。



フィルムを使い続ける理由、その本質に触れるならば、そこに明確な答えは無くて、使う人それぞれのストーリーに辿り着いてしまうかもしれません。

ある人は機械が好きで、いつの時代も最新のデジタル機器を所有して使った結果、ダイヤルをガチャガチャ回すフィーリングが一番好きだと気付き、古いカメラを使っているのかもしれません。

またある人は、デジタルカメラで撮り溜めた家族の写真が何らかの理由で消えてしまったため、フィルムという物理的な原盤に信頼性を見出し、また新たに家族の思い出を残し始めたのかも知れません。

またある人は、近所に写真店と常連客のコミュニティーがあり、ライトボックスでフィルムを見て回しながら写真を語らう機会に恵まれているのかもしれません。



その昔、ライカIIIaとコンタックスIという優れたカメラが選べた時代には、ライカ・コンタックス論争というものがあったそうです。
どちらを選んでも罰は当たらないのですが、2つに絞られると白黒ハッキリしたくなって、どっちが優れているかという話をしてしまうのが、写真愛好家の性のようです。


フィルムを使うならフィルムでも良くて、デジタルを使うならデジタルでも良くて、今の時代は、どちらも選べる自由があります。

自分の好きな方を、自由に選んでいいのです。

私はただフィルムが好きだなと思って、フィルムカメラを使い続けています。

あなたの場合はいかがでしょうか?

4 件のコメント:

  1. こんばんは。ブログ村からこちらへ辿りつきました。

    フィルムを使う自由、デジタルを使う自由がこのまま続くと良いなと思います。フィルムに関して選択は狭まってきているような、残された自由が残り少ないような不安をもっております。私も、ただなんとなくフィルムが好きなだけです。

    いまは携帯性などからもデジカメが便利でメインに使用しています。便利というのと、好きというのは少し違う感覚で、デジカメも大事ですがフィルムには物としての大事さ以上の大切なものが在るように思っています。

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    1. mellow-mixさん、こんばんわ。
      読んでくださりどうもありがとうございます。

      フィルムの銘柄も少なくなりましたね。事実として選択肢は減りつつあるように思います。

      けれど、私たちの命はやがて消えてしまうから、今のフィルムが永久に存在するかどうかを心配しなくても良いのかなと思ったりもします。
      私達がたくさん撮った写真も、没後は片付けられるかどこか彼方へ忘れ去られてしまいます、デジタルもです。
      やがて全てが無くなるのなら、物質としてフィルムがあることよりも、大好きなフィルムを思い切り使って楽しいという人生の記憶を今残すことが大切なのかなと私は思っています。

      無くなることより自由があることに集中して、今日今この時間、なんとなく好きで、好きなようにフィルムを使うことが出来たなら私は幸せです。

      デジタルが普及するまで、写真(フィルム)に対する想いや価値観に対して、これほど真剣に向き合える機会はなかったなと思います。
      フィルムが好きな人は、未来の不安と引換に大切なプレゼントを受け取ったのではないかなと、mellow-mixさんのコメントを読んでそう思いました。

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  2. はじめまして。
    私もいつもバルナックライカを持ち歩いていますが、理由は笑顔が撮りやすいからです。
    他にもいろいろあるのですが、大きな一眼レフではいくらきれいに写真が撮れるとしても怖がる人もいますし、いつも持ち歩くのは大変です。
    おもちゃみたいなカメラだからこそ、撮れる写真があるのだと思います。
    まぁ、自分が気に入っているからと言ってしまえばそれまでですが。
    一本36コマで、AE・AF無しでも、友人達に喜んでもらえる写真を撮るのには十分なのです。

    画質的にはデジタルの方が良いはずなのですが、フィルムだと手振れ、ピンぼけが許せてしまう所も理由の一つです(*´∇`*)

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    1. KIYOKAさんはじめまして。
      撮られる側としてみても、大きな一眼レフや外部ストロボを向けられると変に緊張してしまいますよね。なんとなく、しゃんとしてなくてはいけない気になったりします。
      私も、バルナックライカが好きです。おしゃれですよね。そういうおしゃれも相手に対するおもてなしですから、良いコミュニケーションをとっておられますね。

      「友人達に喜んでもらえる写真」、素敵です。そういう写真良いですよね。

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