2013/06/29

ライカの話。一眼レフからライカへ。

Leica M3, Summicron 5cm/f2, ILFORD DELTA 400

初めてライカを買ったのは、大学生の時でした。
なんでライカにしようと思ったかはもう忘れてしまいましたが、アメリカにある中古カメラ店から通販で購入したのでした。

その時買ったのは、ライカIIIf。

バルナックライカと呼ばれるクラシカルなタイプのカメラで、ダイヤルが2つも付いていて、ファインダーは構図用とピント合わせ用がそれぞれ独立してこれも2つです。

ファインダーが50mm専用なので、レンズも50mmのものを後で買いました。
ロシア製のインダスター22という、エルマー5cm/f3.5のような形をした5000円のレンズです。


そうして手に入れたバルナックライカで写真を撮ってみて、だんだんと気付いたことがあります。

それは、ファインダーを覗いても思い通りにはならないということ。


これには2つの意味があります。

1つは、ファインダーの構造自体、正確なフレーミングをすることができないということ。
一眼レフのように、ファインダーはフィルムに写るのと同じ像を見ているのではなく、別の窓の景色を見るようになっています。被写体が近ければ近いほど、レンズとファインダーが離れている分だけズレてくるのです。

そしてもう1つは、私の場合はファインダーの中でいくら工夫をしても、良い結果にはならなかったということ。
ズームレンズを使って切り取ってみたり、被写体を斜めに納めてみたり、ボケを使って浮き立たせてみたりしても、あとの祭りなのです。
なぜなら、自分の眼で「良い」と思うからカメラを構えたのに、ファインダーでそれとは違う景色になっていたとしたら、良いと思うところはまた違ってしまうからです。


一眼レフカメラは、ファインダーの中で景色を作っていくのに向いているように思います。
スクリーンが作業場で、そこに投影された像が作成中の作品なのです。

一方ライカは、正確にいうと50mmの画角とレンジファインダーは、見たままを捉えるのに向いています。
本当にそれだけで、それだけのことを良くするためのカメラなのです。

ありのままを捉えるカメラがライカで、ありのままを捉えたいと思う気持ちを良く叶えてくれます。
「ありのまま」なので、良い意味でも悪い意味でも誤魔化しが効きません。

本当にそのまま、ありのまま。自分の眼差しがありのままです。


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