2012/06/25

暗闇に光を見るということ

Leica M3 + Summicron 5cm/f2 ILFORD DELTA 400

写真を撮ることと憂鬱な気分になることは、相性が良いのではないかと私は思っています。

憂鬱になると自分自身との対話が増えてきますから、対人関係の中で無効化されていた心のセンサーに次々と電源が入っていくかのように思えるのです。


もしも鬱屈に満ちた日々を送っていたとしたら、自分自身の内面と良くアクセス出来る状態になっています。

だとしたら、カメラを持ち出して自分にこう問いかけるのです。

"何を憂鬱に思うのか、本当は、どうであって欲しいのか。"

そんな風に自分自身との対話を進めていくと、ぼんやりとした嫌な気分の在処と、望んでいる結果が、だんだんとはっきり見えてくるようになっていきます。

それを一枚撮り、また一枚撮りと心を形に表していけば、本当の自分の写真が撮れるのだと思います。

そうして36コマのネガを見た時、それまでの出来事を振り返った時、それまでの人生を振り返った時、そんな風に悩んでいたこともあったなと、優しい気持ちでいることができるのです。
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