2014/04/05

説明すればするほど、考えることを諦める

Leica M3 ?
川瀬巴水という木版画家の作品が好きです。
穏やかでしっとりとした景色と、まるで人生のふとしたタイミングで思い出すかのようなストーリーが、四角い絵の中で永遠と流れ続けているのはなんとも言えない魅力があります。

木版画ということもあるのか、作風なのか、輪郭を表す線は太く描かれています。
それなのに、細部まで緻密に描かれているように感じるから不思議です。

写真では中版・大判を使ったり、高画素センサーを使ったり、あるいは繋ぎあわせてギガピクセルにすることで、どこまでも細部を描き出すことができるのに、木版画がそれに勝るほどの精密さを魅せるのは意外でした。

むしろ、「ここには何と書かれていて、影はこうで、光っているところはこうで、色がこんな鮮やかで、それで、、、」なんて写真が説明すればするほど、見る人はただ「キレイ」の権威に平伏して、自ら考えることを一切辞めてしまうのではないかと思うこともあります。


これ以上のキレイを目指すなら、脳に電極を刺して刺激を与える方法がより良い「鑑賞」にも思えます。
何も考えないのなら、ヨダレを垂らして快楽に浸れることができると幸せかもしれません。


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